家のマルプーのハルちゃんが心臓に悪性腫瘍ができました。
心臓の腫瘍は、健康診断のX線検査、心臓の超音波検査で偶発的に発見されるケースが多いです。
家のハルちゃんも前兆はまったくなく、2023年の12月の健康診断でたまたまエコーで見つかりました。
以前お世話になった茶屋が坂動物病院に勤務していた佐藤先生が独立して、腫瘍専門の動物病院として、自由が丘動物病院を設立したと聞いて、アインちゃんの足にできた良性腫瘍の摘出と胆嚢摘出術をしてもらってから、佐藤先生に診てもらうようになりました。
佐藤先生は日本でも60人ぐらいしかいないの犬猫の腫瘍1種を持っていらしゃって心臓のガンも50数例治療しているそうです。
他の腫瘍も診てくださる獣医さんに聞いたところ、心臓の癌は小さくはならないと言われた時、佐藤先生から治療を受けていると言うと、「それなら間違いない」と言われたので、これでだめならあきらめもつくと思っています。
その先生が言われたように、心臓腫瘍は、臨床症状はないことが多く、生前診断は難しいとされています。
ハルちゃんは、たまたまアインちゃんと一緒に半年ごとの健康診断をお願いした時のことです。
アインちゃんのほうは、心臓が少し弱くなってきたのですが、薬をのむほどではないとのことでした。
ところが問題はハルちゃんで、癌細胞が右心房の中まで侵出して来ていて、すでに3.5cm になっており、右心室のほとんどを侵蝕しており、このままだと余命3週間と言われました。
その日は動物病院の年内最後の日でしかも最後の診療だったので、治療は最短で1月の4日迄待たなければならず、スキルス性なので癌細胞の成長が早いのでどうなってしまうのだろうと、年末年始を泣いて暮らしました。
1月4日に1番で連れて行き、もう一度エコーをしてもらうと、腫瘍はたった1週間で4cmになっていました。 一週間で5mmも成長したことになります。
もうほとんど血液が通る隙間もないのに、ハルちゃんはいつものとおり元気で、ご飯もしっかり食べていました。
先生と相談してまだ犬では新しい抗がん剤を投与すると同時に、内服薬(抑不整脈薬と抗生物質を与えることになりました。
がん細胞は見つけた時点でなるべく早くやっつけるのが大事とのことで、体重や年齢に対してMAXの量の抗がん剤を点滴してもらいました。
また、元気に見えても、しばらくは絶対安静、お散歩やお風呂は絶対だめ、朝夕晩の8時間毎で薬を必ず与えることを守るように指示されました。
朝、晩は抗生物質のフラジール錠62.5mmgつまり250mgの1/4
朝、夕、晩は抗不整脈のインデラル錠3.33g、つまり10mgの1/3
それに朝だけ吐き気止めのマロピタット錠6mgつまり24mgの1/4を毎日欠かさず飲ませます。
錠剤はうまく飲めないので、あの手この手を使って飲ませます。
抗がん剤を投与と、検査をし、1週間後に検査をします。
そして又その次の週に抗がん剤を点滴と検査というように一週間おきに抗がん剤を投与しています。
抗がん剤はドキソルビシンと言って、プロプラノロールを内服させて、投与します。面白いことに、人間に使われていて、犬にも体重に合わせて使用する量が決まっていて、犬も人間も、一生のうちで計6回しか使うことができない薬です。
ドキソルビシンは、がん細胞のDNAに入り込み、その成長を止め、死滅させる作用を持つ薬です。
まずはがん細胞を小さくするために体重で使用できるMAXで投与してもらいました。
足の静脈に点滴で投与するようです。
凄いのは、毎週見る見るうちにがん細胞が減少していきました。
そしてドキソルビシンの試用期間が終わる頃には癌がほとんど見えなくなっていました。
それと、後でわかったことですが、12月の検診でレントゲンを撮ったとき肺にあった影もすっかりなくなっていました。
だからといって心臓の癌は治ることはないのだそうです。
がん細胞は小さくなり、元気だったものの、毛が抜けて、白いふわふわだったのが、だんだんミーヤやキャットの様になっていきました。そして体の毛もどんどん抜けていきました。
ドキソルビシンの使用期間が終わりました。
これからどうするのか、すごく不安でした。
佐藤先生が、ビンブラスチンという抗がん剤も今アメリカなどでよく使われていて、この薬はずっと続けることができるのだそうです。
ビンブラスチンは、ニチニチソウという植物に含まれる成分から作り出された抗がん剤で、細胞が分裂する際に必要な細胞構成成分のひとつである 微小管 に作用します。 微小管を構成しているチュブリンという蛋白質の結合を阻害することによって腫瘍細胞の増殖を阻害し、死滅させます。 ビンブラスチンは、短時間で静脈内に投与します。
抗がん剤は抗不整脈剤と合わせると効き目が上がるという報告があるそうで、頂いたお薬は一度も欠くことなく飲ませています。
ビンブラスチンに変えたせいなのか、最近顔も背中も毛が生えてきて、特に背中の毛は白からベージュで硬くペッタリした感じになってきました。
さて、この治療をしたワンちゃん達の平均延命期間は100日〜140日だそうです。先生も、200日を超えても元気なワンちゃんは見たことがないそうです。
これまで学会で発表された報告でも、最高延命日数は約1年だったそうです。
本日のエコー検査ではまだがん細胞の逆戻りは見えなかったのですが、血液検査で白血球の数値がいつもより低かったので少し心配です。
先週ワンちゃんたちと旅行に行ったのと昨日トリミングに行ったのが影響しているのかわかりませんが、先生は、今ぎりぎりの線なので、もしこの数値がもっと下がるようなら、抗がん剤の量を少し減らしてみようかとのことでした。
私達としては、このまま平均寿命まで生きていて欲しいですが、苦しませるのは嫌だと考えています。
しばらく様子を見て、ハルちゃんに幸せな人生じゃなくて犬生を送れるよう努力していきます。
因みに、治療の費用ですが、保険無しで抗がん剤投与の週は3万6千円ほど、エコーと血液検査の週は1万6千円ほどになります。
うちは、「IPET」という保険に入っていたので年22回の通院はMAX70%、12,000円まではカバーされていましたが、使い切ってしまったので随分痛手です。
因みに年間の保険料は7万円ほどです。
12,000円✕22回=264,000円なので、年間196,000円ほど助かっています。なお、病気が長引いても保険料は変わりません。
左藤先生の提案で検査だけの時は簡易にして、1万円程安くしてもらっています。ありがてえ〜
ハルちゃんはお金には代えられませんので、せっせと働いて治療を続ける予定です。
今後も時々状況をUPして、延命世界一を目指したいと思っています😊